こんにちは、三醍醐です。
今回はAzureの話ではなく、同じくMicrosoftのクラウド製品で、代表的オフィススイートの一つであるOffice 365についてお話します。
目次
忘れられるプラン
下記の表を御覧ください。

一般的なOfficeの比較表を見ると、一番右の列「Enterprise F1(現在はF3)」というプランが書かれていないことが多いです。
「Office 365 導入」「Office 365 比較」といったワードでGoogle検索をかけても、F1プランに関する記述は見当たりません。(2020/01自分調べ)
また、Office 365のライバルであるGsuiteとの比較でも、F1プランが登場することはありません。(2020/01自分調べ)
現場担当者向けプラン
Office 365 F1はかつて、「Office 365 Enterprise K1」と呼ばれるプランでした。
KはKiosk(売店)の頭文字、FはFirstline(第一線)の頭文字から取られています。
F1プランは、ドキュメントや表計算ソフトを利用するオフィスワーカーや、頻繁にメールなどでやり取りを行う営業というより、現場で作業を行う第一線のユーザー向けに特化したプランとなっています。
現在(2020/01/28)Office 365 F1に含まれるサービスは以下の通りです。
- Exchange Online Kiosk
- メールボックス2GB。添付可能ファイルは150MBまで。
- Flow for Office 365 K1
- UI Flow(RPA)は利用できません。
- Forms (プランF1)
- Kaizala Pro
- Planner
- 購入ページでは同封されていないことになっていますが、実際には利用可能です。
- Search
- StaffHub
- Stream for O365 K SKU
- 視聴権限のみ。
- Teams
- Mibile Device Management for Office 365
- Office Mobile Apps for Office 365
- モバイルデバイス5台まで。
- OneDrive Basic
- 一人あたり2GBまで。(家庭用無料版は5GBなのに…)
- PowerApps for Office 365 K1
- SharePoint Onlne Kiosk
- 組織の合計記憶域1TB
- サイトコレクションあたりの最大記憶域25TB
- Skype for Business Online (プラン 1)
- Sway
- To-Do(Firstline)
- Web用Office
- Whiteboard(Firstline)
- Yammer Enterprise
また、「Office 365 F1」を購入すると、もれなく「Microsoft Power Automate Free」がついてきます。
Power Automate Freeには、「Common Data Service」と「Flow Free」が含まれています。(なんでFlowが2つもついてくるのでしょうか…)
機能制限版E1プランとでも言うべきラインナップで、チームコラボレーション向けアプリを残しつつ個人向け機能が大幅に削がれています。
有償版では最安のTeams
Microsoft Teamsは無料版と試用版があります。
組織内でOffice 365を利用していない・利用したことがない場合は無料版、逆に利用していた・利用している場合は試用版になります。
無料版Teamsは多くの機能が制限され、試用版Teamsは1年間しか利用できません。
つまり、Teamsをビジネスでフル活用していくには有償版を利用していく必要があります。
ここで思い出して頂きたいのは値段。
F1プランはなんと、ユーザー数無制限にも関わらずBusiness Essentialより安いのです!

ビジネス向けOffice 365のプランの中では最安となるため、BusinessプランとF1プランを組み合わせれば、Business Premiumプランを購入するより30円安く、Pro PlusプランとF1プランを組み合わせれば、E3プランを購入するより440円安く利用することができます!
たった30円と思うかもしれませんが、300人の企業で全員が利用する場合、1年間で10万8千円の出費を抑えることができます。Exchange Onlineは使わないけどTeamsは使いたい、というような場合には一考の余地があるのではないでしょうか?